【フランス人の働き方】として、週35時間労働制の法律について概要を【フランス人の働き方】週35時間労働制とはどういう法律?!その目的と影響は?でまとめましたが、実は年次有給休暇付与日数も法律で決まっているってご存知でしたか?
そしてその取得率、なんと100%です。
ちなみに日本は有給取得率、50%未満と、国際的に見て極めて低い取得率のようです。
それではフランスは有給休暇はどれくらいあるのかまとめてみました。
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フランスの年次有給休暇は1年に5週間!
日本では、1947年に定められた労働基準法により有給休暇が導入されました。
当初は最低日数は6日でしたが、1988年に日数が引き上げられて最低10日になり、「6ヶ月間継続勤務し、その6ヶ月間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、毎年10日間の有給休暇が与えられる」としています。
労働基準法もありますが、実際のところ継続勤務月数や有給休暇の日数は企業によって異なりますよね。
さて、その有給休暇ですが、フランスでは企業ではなく法律で年次有給休暇の付与日数が定まっています。
1年以上働いた人には5週間(25日)の有給休暇を取る権利が生じます。
そして企業はこれを消化させる義務があります。
1年継続して働かないとこの権利はもらえないので、最初の1年間は無給で頑張るしかないのです。
ちなみにフランス人は常に自分の権利を主張する国民です。
なのでストライキ三昧です。笑
RTT:Réduction du temps de travail (労働時間の短縮)
フランスにはRTT(Réduction du Temps de Travail)というシステムがあります。
これは簡単にいうと、規定労働時間を越えた時間を回収するシステムです。
フランスでは週の労働時間は35時間ですが、必ずしも企業がその通り動いているわけではありません。
例えば、企業の就労時間が9時~17時半(昼1時間休憩)でしたら1週間37.5時間労働となってしまい、2.5時間オーバーします。
1ヶ月となると(4週間計算で)2.5H×4で10時間も働き過ぎてしまうわけです。
その規定労働時間の超過分を越えた時間を有給で回収しましょうというシステムです。
ですので大体の企業で月に1日RTTとして休日が取れます。
RTTのある企業は大体、年5週間の休みと10日前後のRTTがあります。
私も以前フランスで就労していましたが、就労時間は月~木は9時~17時半、金曜日は9時~17時で月8時間の超過勤務でしたので、RTTが1年で11日ありました。
そして年次有給休暇が36日でした。
懐かしい!
病気休暇は?
フランスでは病欠に関しては有給休暇の中には換算されず、病欠の4日目から最長3年間、社会保険事務所から病欠手当てとして給料の半額が支給されます。
被雇用者は病欠から48時間以内に医師による病欠証明書/診断書(arrêt de travail)を雇い主と社会保険当局(Sécurité Sociale)に提出しないといけません。
提出することで、医師によって指定された期間、病欠することが出来ます。
また、健康保険助成金庫から病欠4日目から病欠手当てが支給されます。
本当にしんどい時、家でベッド上で休養したいのですが診断書を貰い48時間以内に提出しないといけないので、医者に行くのも大変だったりします。
こういう時、日本のように有給で消化できた方が楽かもしれませんね。
ですが長期の病欠となると、やはりこのシステムは病欠手当てが出ますのでありがたいです。
ただ、このシステムを悪用し、仮病で仕事に来ない強いメンタルの輩もいるようです。
この期間、雇い主はズル休み社員をクビには出来ませんので、一緒に働いている同僚などにしわ寄せが来て大変です。
まとめ
フランスで働いてみると、有給や病欠、労働時間の考え方が日本とは全然違うなと実感します。
「そんなに休んでばかりで大丈夫?」と心配してしまうかもしれませんが、2017年のOECD加盟国の時間当たりの労働生産性を国別に比較した調査によると日本は20位ですが、実はフランスは世界で9位で日本より上なんです。
いざフランスで暮らしてみるとサービスの質や不便さに目がいきますが、長期休暇や規定の労働時間、労働者はがっちり法で守られているので家族と過ごす時間や自分の趣味に費やす時間が多いです。
日本のようにサービスの質や便利さはありませんが、個人の生活の質が優先されており、人間らしい生活が出来ているように感じます。
皆さんはどう思いますか?
最後までお読み頂きありがとうございます♬
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