毎年京都の風物詩として「五山送り火」を新聞やニュースで全国的に放送されているため大変知名度の高い行事だと思いますが、いつ行われ、どのような意味がある行事だかご存知ですか?
京都「五山送り火」の全体的な意味、いつ行われているのかついてまとめてみました。
「五山の送り火」について
京都の「五山の送り火」はその名の通り、5つの山で灯されます。
最も有名なのは「東山如意ヶ岳(にょいがたけ)」で別名「大文字(だいもんじ)」。
ここに「大」(右大文字という)文字の火が一番初めに灯されます。

出典:京都五山送り火HP
2つ目の山が松ヶ崎西山・東山です。西山に「妙」の字、東山に「法」の字が灯されます。
西山については万灯籠山、東山については大黒天山とも呼ばれるようです。
二山合わせて妙法山とも呼ばれています。

出典:京都五山送り火HP
3つ目の山が西賀茂船山(にしがもふねやま)で、万灯籠山(まんどうろうやま)・西賀茂山(にしがもやま)とも呼ばれています。
この山に舟形の絵が灯されます。

出典:京都五山送り火HP
4つ目の山が金閣寺付近の大文字山(または大北山)で、1つ目の大文字山と区別するために、左大文字山とも呼ばれています。
この山に再度「大」の字が灯されます。

出典:京都五山送り火HP
最後の山が曼荼羅山(まんだらやま)、あるいは仙翁寺山(せんおうじやま)・万灯籠山(まんどうろうやま)です。
ここに鳥居の絵が灯されます。

出典:京都五山送り火HP
「五山の送り火」はいつ行われ、点火の順番と時間は?
五山の送り火は毎年8月16日の夜に行われます。
時間は20時から始まります。
20時ちょうどに「大文字」、
20時10分に「妙・法」、
20時15分に「船形」と「左大文字」、
20時20分に「鳥居形」が点火されます。
お盆の送り火ですのでよほどの悪天候でないと延期や中止はしないそうです。
ちなみにここ50年間、送り火の雨天順延や中止はないようですが、戦時中の1943年~1945年の間は灯火管制の理由から送り火は中止されたようです。
あっぱれですね。
「五山送り火」の意味
京都五山送り火ですが、これは仏教的な行事で、前記「五山で炎が上がり、お精霊(しょらい)さんと呼ばれる死者の霊をあの世へ送り届けるとされている。」とWikipediaにはあります。
今でもお盆になると始まりに迎え火を焚き亡くなった人々の霊魂を呼び寄せ、お盆の終わりには送り火を焚き霊魂をあの世に送り届けますよね。
それを家単位ではなく大掛かりにしたのが京都五山送り火と考えられています。
ですが京都では、迎え火はなく、送り火だけしかありません。
これは迎え火を行うと招かざる魑魅魍魎(ちみもうりょう)と言われる山や川の怪物さえも迎えいれてしまうとの考えから、送り火だけが現代に伝わっているという説があるようです。
約1200年の歴史がある古都京都だけに、数多くの伝説や代々受け継がれている話があります。
京都には古都が誕生してからそこで暮らした人々の喜怒哀楽が凝縮され、人々の苦しみ、悲しみ、嫉妬等が怨念と化し、そこにこの世のものならぬ妖魔が忍び寄ると言われているだけあるからこその考えかもしれませんね。
実際に京都には不遇の死を遂げた魂を鎮めるために創建された寺院や神社も数多くありますしね。
迎え火がないことに納得します。
まとめ
たまにに京都の「五山送り火」を「大文字焼き」と称される時がありますが、これは間違いです。
京都の「五山の送り火」の文字の意味は何?「大」の字や「妙法」、絵文字の意味は?でもまとめた通り、京都五山送り火にははっきりとした意味が込められています。
そのことを考えると大文字焼きと言ってしまうのは、必ずしも適切ではないようで、京都の方々も「大文字焼き」と言われることを嫌がっているようです。
一つ一つの文字や絵に込められた思い、「五山送り火」の歴史も踏まえ、「五山送り火」という言葉を大切にしていきたいですね。
最後までお読みいただき感謝します♫
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